ガンマナイフセンター
「切らずに治す」
脳疾患の最先端治療
— 14,000例を超える確かな実績と最新の技術 —

中村記念病院ガンマナイフセンターは、1991年に日本で初めて臨床用ガンマナイフを導入したパイオニアです。これまでに14,000例を超える豊富な治療実績を積み重ね、現在は最新鋭の「レクセルガンマナイフ Icon(アイコン)」による、身体に優しく精度の高い治療を提供しています。
1. ガンマナイフとは
ガンマ線を用いて、まるでナイフで病巣を切り取るような治療法です。開頭手術をしなくても、頭蓋内 ・ 脳内病変もしくは機能的脳疾患の治療 ・ コントロールを可能とし、きわめて低侵襲な脳外科治療の一つです。
・ 「切らない」 脳外科手術 : 全身麻酔や開頭を行わず、放射線を集中させることで病巣を治療します。
・ 装置の仕組み : 192個のコバルト線源から多数のガンマ線ビームを一点の病巣に集中させます。機械誤差は0.2mm以下という極めて高い精度を誇ります。

・ 負担の少ない治療 : 高齢の方や、合併症で開頭手術が困難な方にも適しています。
・ 最新の 「分割照射」: マスク固定により、大きな腫瘍や重要組織に近い病変も安全に治療可能です。
・ 治療環境: 30分から1時間前後の照射時間です。入院期間は疾患により2日から数日間です。
2. 中村記念病院における特色
北海道唯一の施設
ガンマナイフがあるのは、北海道では中村記念病院のみです。14,000例を超えるデータベースによる治療成績の集約により、常に最新の知見に基づいた治療方針を提供しています。
専門医チーム
脳神経外科専門医35名(全国最多)が、開頭手術、血管内治療など他の治療手段との組み合わせを検討し、最善の治療法を提案します。
最新機器 「Icon (アイコン)」 の活用
2019年9月より導入しました。マスク固定が可能になり、患者様の負担を軽減しました。また、大型病変に対しても 「分割照射」 を選択することで治療適応が拡大しました。
3. 年間治療症例数(2017~2025年)

例年370例を超える治療実績です。


2017年~2025年の疾患別治療数です。転移性脳腫瘍の治療が多く、良性腫瘍や血管系疾患や三叉神経痛にも幅広く対応しております。
4. 治療適応と当院での特徴
転移性脳腫瘍 : 腫瘍の個数が比較的少ない場合、ガンマナイフ治療は非常に有効な治療法です。脳の深部など、開頭手術を行うのが難しい場所に腫瘍がある場合でも治療が可能です。体への負担が非常に少ないため、ご高齢の方や、他疾患の治療中で体力が低下している方でも治療を受けていただけます。過去に放射線治療や手術を受けた部位に再発した場合でも、ガンマナイフによる追加治療が可能です。


乳癌からの37ヵ所の転移性脳腫瘍(左)に対してガンマナイフ治療を行い、3ヶ月後(右)に病変は全て消失した。


肺癌からの直径2.5cmの転移性脳腫瘍(左)に対して分割照射でのガンマナイフ治療を行い、7年後(右)でも腫瘍は縮小したままの状態を維持している。
中村記念病院における治療の特徴: 当院では、これまでに転移性脳腫瘍に対して約10,000例のガンマナイフ治療実績があります。最新機器のIcon(アイコン)導入後は、3cm以上の大きな腫瘍や多発した腫瘍(20個以上)の場合でも、分割照射や複数回の照射での治療が可能となりました。小さな腫瘍の制御率は98%以上です。大きな腫瘍でも制御率は94%以上と良好な腫瘍制御が得られています。
髄膜腫 : 手術で摘出困難な部位や術後の残存 ・ 再発病変を対象としています。


視神経に近い右海綿静脈洞の髄膜腫(左)に対し、ガンマナイフでの分割照射での治療を行った。2年後(右)には腫瘍は縮小し、視力障害も起こっていない。
中村記念病院における治療の特徴 : 当院ではこれまでに髄膜腫に対して約900例のガンマナイフ治療実績があります。手術で摘出困難な部位の髄膜腫や、術後の残存病変や再発病変、再発を繰り返す異型性髄膜に対しても積極的に治療を行っています。視神経に近い髄膜腫に対しては、視力障害を起こさないように分割照射での治療を行っています。大きな髄膜腫に対しも分割照射での治療を行っています。
聴神経腫瘍 : 直径が3cm以下の腫瘍が対象です。手術後の残存腫瘍が増大した場合や、高齢で全身麻酔のリスクが高いような場合にも、ガンマナイフ治療が推奨されます。


左聴神経腫瘍(左)に対しガンマナイフ治療を行い、11年後(右)でも腫瘍は縮小したままの状態を維持している。
中村記念病院における治療の特徴 : 当院ではこれまでに聴神経腫瘍に対して約800例のガンマナイフ治療実績があります。94%以上の腫瘍制御を維持しつつ、65%程度の有効聴⼒温存を得ています。
脳動静脈奇形 : 直径が3cm以下あるいは、体積が10ml以下の病変が治療の目安です。⼿術で摘出することが困難な部位の病変でも安全に治療が可能です。


左前頭葉にある直径2.5cmの脳動静脈奇形(左)に対しガンマナイフ治療を行い、3年後(右)に病変は消失した。
中村記念病院における治療の特徴 : 当院ではこれまでに脳動静脈奇形に対して約480例のガンマナイフ治療実績があります。大型脳動静脈奇形(10 mlを超えるもの)に対しては、フレーム固定にマスク固定を併用した分割照射を行っております。
三叉神経痛 : 手術無効例や高齢で手術困難な方に対し、非常に高い有効率(5年で93%)を実現しています。

多発性硬化症が原因の左三叉神経痛に対しガンマナイフ治療を行い、左顔面の痛みは2ヶ月後より軽減し、6ヶ月後には消失した。
中村記念病院における治療の特徴 : 当院ではこれまでに三叉神経痛に対して約300例のガンマナイフ治療実績があります。治療の有効率は、治療から6ヶ月で74%、1年で78%、2年で81%、3年で90%、5年で93%です。多発性硬化症や腫瘍が原因の三叉神経痛に対しても治療を行っています。
悪性グリオーマ(再発) : 再発した悪性グリオーマに対し、分子標的薬であるベバシツマブとガンマナイフを組み合わせた当院独自の治療法 (AVAgamma療法 : アバガンマ療法)で再発病変を制御しています。


左小脳の再発悪性グリオーマ(左)に対し、分子標的薬ベバシツマブとガンマナイフを組み合わせた治療を行い、5ヶ月後(右)に病変は全て消失した。
中村記念病院における治療の特徴 : 当院ではこれまでに再発した悪性グリオーマに対して約230例のガンマナイフ治療実績があります。分子標的薬のベバシツマブとガンマナイフを組み合わせた治療 (AVAgamma療法 : アバガンマ療法)は、当院が独自で治療法を開発し、日本では最も多く治療を行っています。
悪性リンパ腫: 悪性リンパ腫は放射線感受性が高い腫瘍です。化学療法や全脳照射などの標準的治療後の再発病変に対して有効です。
中村記念病院における治療の特徴 : 当院ではこれまでに再発した悪性リンパ腫に対して約150例のガンマナイフ治療実績があります。メソトレキセートやチラブルチニブなどの薬物の効果が弱くなってきた場合でも腫瘍を縮小させることができます。
その他の良性脳腫瘍 (下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、血管芽腫など)の再発病変や、がんの頭蓋骨転移に対してもガンマナイフ治療を行って良好な腫瘍制御率を得ています。
※ 掲載している画像につきましては、患者様やご家族の掲載の承諾をいただいております。
5. 治療の流れ
1.検査 : 高解像度MRI (1.5T) で病変を正確に描出します。
2.計画 : 日本ガンマナイフ学会のガイドラインに基づき、高度な品質管理のもと、長年にわたりガンマナイフ治療の専門的な研鑽を積んだ医師が、0.1mm単位で緻密な計画を立案します。
3.固定 : 痛みや負担の少ない「マスク固定」を第一選択とし、必要に応じて「フレーム固定」を選択します。
最新機器「Icon(アイコン)」による治療


最新モデル 「Icon(アイコン)」 の導入により、これまでのフレーム固定(ピン固定)に加え、マスクによる頭部固定が可能になりました。これにより、患者さまの状態に合わせてより 「シンプルかつフレキシブル」 な治療選択が可能となりました。
4.照射 : 照射中はクラシックやヒーリングミュージックなど、ご希望の音楽を流すことができます。リラックスした状態で治療をお受けください。終了後は当日から歩行・食事が可能です。


マスクによる固定では、頭部位置を赤外線で追跡するシステムで患者様の動きを監視します。 頭部が一定以上動いた場合は、自動で照射を停止します。
※聴神経腫瘍と脳動静脈奇形と三叉神経痛の患者様については、フレーム固定となります。
6. 患者様へのご案内・費用について
- 入院期間 : 1泊2日から数日間(疾患や治療法により異なります)。
- 受診方法 : 診療情報提供書と画像データをお持ちの上、以下のガンマナイフ担当医の午前または午後の外来を受診してください。
高梨 正美 医師(火曜日)
佐藤 憲市 医師(水曜日)
浅野目 卓 医師(金曜日)
事前に電話でご連絡いただく必要はありません。
お問い合わせ先
中村記念病院 ガンマナイフセンターまたは医療相談課
TEL : 011-231-8555
ガンマナイフ治療の費用について
当院のガンマナイフ治療は公的医療保険の適用対象です。総医療費(10割)は、検査や入院費を含めて約50万〜60万円となります。実際の窓口負担額は、患者様の年齢や所得に応じた自己負担割合によって異なります。
1. 窓口でのお支払い目安
入院日数(1泊から数日程度)により多少前後しますが、一般的な目安は以下の通りです。
| 自己負担割合 | 窓口支払額の目安 |
|---|---|
| 3割負担 | 約15万~20万円 |
| 1~2割負担 | 約1.5万~6万円 |
※腫瘍の個数や大きさによって治療費が変動することはありません。
2. 実質負担を抑える「高額療養費制度」
医療費には「高額療養費制度」が適用されます。これは1ヶ月の支払上限額を超えた分が免除・返金される制度です。
〇限度額適用認定証の活用: 事前に「限度額適用認定証」を取得し、もしくはマイナンバーカードを利用していただく必要があります。
■ お手続き方法(①②のどちらか)
① マイナンバーカードを利用する。(マイナンバーカードを利用すると自動的に高額療養費制度の適応となりますが、その際は情報の取得に同意していただく必要があります。)
② ご加入の保険者(保険証発行元)に『限度額適用認定証』の発行を依頼する。(限度額適用認定証が発行されましたら、入院受付の窓口へご提示ください。)
上記に① ②のどちらかにより、窓口でのお支払いを自己負担限度額までに抑えることが可能です。
3. 保険適用外となる別途費用(全額自己負担)
以下の費用は医療保険や高額療養費制度の対象外となります。
| 差額ベッド代(個室料) | ご希望により個室へ入院される場合(1日あたり6,600円〜13.200円)。 |
| 文書料 | 生命保険等の診断書作成費用(1通あたり7,700円)。 |
治療費や制度の利用についてご不安な点がございましたら、当院の医事課または医療相談課までお気軽にご相談ください。
7. 紹介元医師の皆様へ
- ・ 診療情報提供書と画像データ(MRIや脳⾎管撮影など)を患者さまにお渡しになり、以下のガンマナイフ担当医の午前 または午後外来をご案内ください。
高梨 正美 医師(火曜日)
佐藤 憲市 医師(水曜日)
浅野目 卓 医師(金曜日)
- ・ 事前に電話でご連絡いただく必要はありません。
- ・ 遠⽅で患者さまの外来受診が難しい場合や、治療適応の判断に迷われる場合などには電話やFAXや電⼦メールでのご相談も随時承っております。
- ・ ガンマナイフセンターまたは医療相談課までご連絡下さい。
お問い合わせ先
中村記念病院 ガンマナイフセンターまたは医療相談課
TEL : 011-231-8555